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映画『ファイト・クラブ』における石門星中殺現象

うちはJ:COMというケーブルテレビに加入していて、一番安い映画パックを契約しているのですが、たまに気になる映画がやっていると途中からでも見始めます。

 

映画『ファイト・クラブ』に出会ったのも、そんなきっかけでした。

中学生の頃、ブラッド・ピットのファンだったんで、ついつい見ちゃったんですよね。

(素晴らしい肉体美)

 

最初に見たときは、主人公の『僕』(名前がないの)と、ブラピ演じるタイラーが、飛行機の隣の席に乗り合わせて、全く同じ型のカバンを持ってるというシーンからでした。

そこから最後まで見たんですが、見終わった時の感想は、

「この映画って、単なる殴り合いサークルの映画じゃなかったんだ!なかなか面白いやん」

というものでした。

 

ここから先は映画『ファイト・クラブ』の完全ネタバレになってしまうので、これから観ようという方は、ここで読むのはおしまいにしてください。

 

では続けますね。

 

ケーブルテレビというのは同じ映画を何回も繰り返し放映するので、私は計3回ファイト・クラブを見ました。

 

1回目見終わって種明かしされると、2回目はその伏線を確認する意味で見て、3回目は映画全体をもう一回味わうために見ました。

 

 

簡単にあらすじを説明しますと、主人公は大手自動車メーカーのリコール調査員として働く『僕』。高給取りのため、高級コンドミニアムに住み、おしゃれな家具に囲まれ、何不自由ない生活をしていましたが、仕事のストレスから不眠症に悩まされていました。

 

そんな彼の趣味は、癌や感染症自助グループのセッションに参加すること。

病に苦しむ人の告白を聴くことで、何故か心が癒されることに気づき、参加した日はぐっすりと眠れるようになる。しかし、睾丸癌のセッションに平然と参加するマーラというイカれた女の存在のせいで、セッションに集中できなくなった彼は、再び眠れなくなる。

そんなある日、『僕』は飛行機で隣り合わたタイラーという魅力的な男と言葉を交わし、名刺を貰う。

タイラーは高級石鹸を売る営業マンだった。

それから数日経ったある日、出張から戻った『僕』が自分の住むアパートメントに着くと、自分の部屋が時限爆弾で爆破されていた。

 

行き場を失った『僕』は、焼け跡から降って来たタイラーの名刺の残骸に載っていた番号に電話する。

 

タイラーとはバーで再会し、意気投合する。

タイラーは『僕』に、自分の家に泊ってもいいが、その代わり俺を殴れと言う。

『僕』は戸惑いながら、タイラーを殴る。

 

それから『僕』はタイラーの住む廃墟に居候しながら、バーの駐車場で度々殴り合いをして楽しんでいた。

それに対して、段々他の客たちも興味を持って参加し始め、『ファイト・クラブ』という秘密クラブが出来ていく。

最初はただ単に秘密の地下クラブで殴り合いをする団体だったのが、タイラーの暴走によって段々とテロ組織のようになって行く…、

 

という話です。

 

 

種明かしすると、実はタイラーは『僕』が不眠の間に生み出したもう一人の自分で、『僕』とタイラーは同一人物なんですね。つまり二重人格。でも、それに気づくまでの『僕』は完全にタイラーの暴走に戸惑っています。

 

最初は単なる男くさいボクシング・クラブみたいな団体だったのに、だんだんと物騒なことをしでかす団体になっていき、狼狽する『僕』の表情が見て取れる。

 

私は「これって石門星中殺みたいやなぁ」と思いました。

 

ちなみに、どういう場合に石門星中殺になるかというのは、例えば下の図のような人が、生月天中殺(生まれた月が自分の天中殺の月)だと、黄色で囲った部分が中殺されます。

下の図の場合、石門星も牽牛星も天将星も全て中殺されている状態です。

(例えば生月天中殺の場合)

石門星というのは仲間づくりが上手な星です。

ところが、石門星中殺の人が特定の目的のために仲間づくりをすると、自分の意図したものと違ったものになるという現象が出ます。

 

例えば、蕎麦打ち同好会を作ったのに、だんだん蕎麦を打たなくなって、何故か利酒の会になっていたとか。

ありそうな話ですが、とにかく目的から離れていくのが特徴です。

そうして自然消滅に至るかと思いきや、その利酒の会が全国組織になったりして、意外と成功しちゃうこともあるのですね。

でも最初に蕎麦打ち同好会を作った石門星中殺の人は、ちっとも満足できないわけです。

「蕎麦はどこ行った…?」なんて釈然としないまま、『一般社団法人利酒の会』の会長なんかに収まってしまうのですね

 

ファイト・クラブ』の話に戻ると、ファイト・クラブのリーダーであるタイラーがやりたいと計画したProject Mayhem(社会騒乱計画)は着々と実行され、クラブはテロ組織化して全米に支部まで出来て、自分の目論見通りの展開なのですが、タイラーが自分だと気づいてない段階の『僕』からすると、「え、えっ?どうして、そんなことに…」と狼狽してしまうのですね。そもそも、タイラーが作った団体で、自分が作ったという事実さえ気づいてないんですけどね。

 

これは石門星中殺的な現象の大事(おおごと)版であって、ここまでの事態になることは、実生活ではないでしょう。

でも、石門星中殺を持つ人は、自分の思い通りの集団は作れないかもしれないということは、心の片隅にちょっと留めておいた方がいいですね。

 

しっかし、この映画の登場人物が全員、見事に病んでるのが、逆に清々しくていいですね。

でも、「君には全員病んでるように見えるかい?そうか、君も相当この社会に毒されてるね」というのが、この映画のメッセージの一つかなとも思います。

 

私的には、テロ組織化した後の話はあんまり好きじゃなくて、タイラーがバカな事やってる映画中盤までが好きなんですけどね。

 

二重人格というややこしい設定なので、解釈も説明も難しいんですが、ファイト・クラブを見て、石門星中殺がふと思い浮かんだので書いてみました。

 

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