マイルドヤンキーのメリット
コロナ禍も2年目に入って、仕事や家を失う人が増えているとの報道がありました。
私の周りにはそんな状況の人はいないので、あまり実感が湧かないのですが、私も東京に住んでいる時分、リーマンショックの後に雇い止めに遭ったことがあるので、今も派遣社員だったら、そういう状況も十分あり得たと思いますね。
もっとも私の場合は、リーマンショックの1か月後に、正社員の仕事をわざわざ自己都合で退職し、その3ヶ月後に繋ぎで始めた外資系不動産投資会社の派遣社員を2ヶ月で雇止めにされたというだけなので、完全に自己責任の単なるアホなのですが…。
その時は多少の貯金があったのと、解雇予告手当30万円を貰ったので、ヤケになって半年くらい遊んでましたが、それがなかったら完全に路頭に迷っていましたね。
血縁や地縁のない土地で一人生き抜くというのは、なかなかの綱渡りだと思います。
コロナもそうですが、不安定な社会状況になると、最近になって注目され始めたマイルドヤンキーなる人々は、実は生存戦略として賢いのではないか、と思い始めました。
『マイルドヤンキー』とは博報堂の原田曜平氏が定義した概念で、ざっと下記の通りになります。
- 地元が一番で地元から出たくない
- 小中学校時代の友人を好む
- 車を好む(特にミニバン)
- 趣味は車の改造
- EXILEが好き
- ショッピングモールを好む
- 公共交通機関は苦手
- できちゃった婚が多く、結婚年齢も比較的若い
- 離婚率が高い
東京都港区辺りに住んでる人だと、
「あーた、本当にそんな方いらっしゃいます?わたくし、見たことありませんわ」(デヴィ夫人風)となるでしょうが、大阪の郊外に住んでいると、こんな人たちばっかりです。
私自身は、狭い世界しか知らない人とお話しても、全く楽しいと思わないので、彼らとの接点はありませんし、持ちたいとも思いません。
しかし、彼らの特徴の一番上に挙げられている地元志向というのは、算命学的に見ても理に適っているので、特筆したいと思います。
宗家のビデオ講座(宗家の生前の授業を録画したもの)で、天中殺の禍を吹き飛ばす方法という回がありまして、それには『根付け』ということが大切だと説いています。それはざっと下記の3つになります。
・住居の根付け
・職業の根付け
・先祖との根付け
(ビデオ講座では、どのくらいで根付くかという、具体的な年数も明示していましたが、無料で公開するのは控えます)
要するに、長く同じところに住み続けたり、同じ仕事を代々引き継いだりして、その土地に根付くと、天中殺などが来ても、運の乱高下が少なくなるということです。
宗家は長々と説明はしませんでしたので、ここからは私の解釈になりますが、少し飛躍して下記のように理解しました。
人生長く生きていれば、晴天の日ばかりではなく、嵐の日もあります。そのとき、身を寄せる場所もなく、野ざらし状態で雨風にまともに打たれると、嵐が過ぎ去った後でも、その時のダメージで死ぬかもしれません。
どうにもならなくなった時、一時的に避難し、生活を立て直す安全地帯は必要です。そうしないと、本来ならすぐに立ち直れるものも、立ち直れなくなってしまいます。
その時、助けとなる多くは血縁でしょう。
しかし中には、家族や親戚との関係が悪く、頼れない場合もあるでしょう。そんな時は地縁です。長くそこで暮らし、仕事していれば、気にかけてくれる友人や知人は自然と出来るものです。家を失っても、1週間くらいなら泊めてくれる人もいるでしょう。仕事を紹介してくれる人もいるかもしれない。そして何より、話を聞いて貰えるだけでも救われる。
そういうセーフティーネットを沢山持っているのが、所謂、マイルドヤンキーと呼ばれる人たちです。彼らは収入は低いかも知れないけど、家族や幼い頃からの友人を大切にして助け合って暮らしています。何か窮地に陥っても、すぐにホームレスになったり餓死することはないでしょう。
「そんなもんなくても、金があれば大丈夫でしょ」と思う人もいるかもしれませんが、
東日本大震災の直後の東京で、お金はあっても水1本買えませんでしたよ。
災害や天変地異の時、最後に頼りになるのはお金ではなく、人との繋がりなのです。
そういうことを、本能的に知ってか知らずか、マイルドヤンキーたちは地元に根付いて、しっかりと生活の基盤を築いてますね。
もちろん、そのような生き方が合わない人たちもいます。
戌亥天中殺・辰巳天中殺・子丑天中殺、龍高星や天恍星を持つ人は、家系のはみ出し者であったり、初代運だったり、離郷運を持つ人たちなので、生まれ育った場所を飛び出して、一から自分で基盤を築くほうが運が上がります。
でもそうでない、継承運などを持つ人たちはマイルドヤンキー的生き方をした方が、楽かもしれません。
私は生まれ育った故郷との縁が切れてしまった人間なので、少し羨ましく思います。